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野球肘について(小児編)

2021.12.27

本日も当院のブログをご覧頂き誠にありがとうございます。

山口県下関市の、みよし鍼灸整骨院 院長の三好です。

野球肘

この俗称は、野球をご家族の中で競技として行っている人が一人でも居たら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

では具体的にどのような状態のことを指すのでしょう?

まず、野球肘には負傷の起こる部位によって大きく分類され、

内側型、外側型、後方型と大きく振り分けられます。

さらに、成人の野球肘と小児の野球肘は損傷する組織が異なります。今回は成人の野球肘は別稿で触れることとして、小児の野球肘について少し掘り下げてお話します。

前述した通り内側型、外側型、後方型に大別され

内側型の場合、ピッチングや遠投で強くボールを投げた際に内側の成長軟骨の部分での剥離骨折(内側上顆、鈎結節部での損傷)骨折はしていないにしても炎症を呈して、骨端症を患っていたりします。

こちらが正常のエコー像。
こちらが内側上顆剥離骨折のエコー像
こちらが内側骨端症のエコー像

後方は肘頭窩滑液包炎と言って肘のクッション材での炎症や、尺骨の成長軟骨の成長障害などを呈していたりします。

外側は離断性骨軟骨炎(OCD)と言って肘の骨の外側の膨隆(上腕骨小頭)の関節軟骨の下の軟骨層が存症して次第に遊離した様になってしまい選手生命を脅かす病態になって行きます。

離断性骨軟骨炎は症状の出方に大きな個人差があり、無痛性の離断性骨軟骨炎というものもあります。ですので、肘の曲げ伸ばしはスムーズに両腕行えるか?肘から下を両腕同じだけ捻れるか等、是非ご家庭でお子さんの肘の可動域のチェック、疼痛の有無などを小まめにチェックしてみてください。

一般的には比較的早期に発見されたとされる透亮期、分離前期迄が保存療法の適応と考えられ、これ以降進行した分離後期、遊離期に於いては手術適応となる事が一般的です。

また、諸家の報告により病期分類がなされておりますが、いずれの分類に於いてもエコー検査の有用性は高く、感度、特異度ともに高い水準を満たしており、早期発見、早期治療を最重要ポイントと億この疾患に際して非常に有用性の高い事は臨床的にも学術的にもコンセンサスを得た見解と考えられます。

正常な上腕骨小頭エコー像

こちらが離断性骨軟骨炎を患った上腕骨小頭のエコー像

今日は少しだけ難しいお話を織り交ぜながら、野球肘のお話をさせて頂きました。

当院には下関市だけでなく、長門市、宇部市、山陽小野田市、美祢市等県内は勿論幅広いエリアから肘、肩の悩みを抱えて野球少年が来院されます。

しかしながら、距離や時間的などの関係で通院できない少年が多いということも自明の事実ですので、

今日の投稿が一人でも野球少年を痛みから救うきっかけに慣れれば幸いです。

次回は大人の野球肘についてお話して行きます。

ケガこそお任せください!!