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野球肘 (成人編)

2021.12.28

いつもブログをご覧頂きありがとうございます!

山口県下関市にある、

みよし鍼灸整骨院、院長の三好雄治です。

今日は昨日に引き続き野球肘のお話ですが、昨日と少し違うところは

成人における野球肘というところです。

成人の野球肘で問題となってくる箇所は肘の内側と、後方です。

そのうち、今日は内側についてお話させていただきます。

結論から申し上げますと、肘の内側の野球肘で一番問題となりやすいのは

靭帯損傷です!

その靭帯は内側側副靭帯前斜走繊維と言って、AOL(Anterior Oblique Ligament)と専門家同士では呼びます。

田中将大投手、ダルビッシュ有投手が受けたトミージョン手術という手術がこの靭帯の再建術とされています。

こちらのAOLが投球動作中のボールを離す瞬間に強いストレスにさらされ、

一度の強い力が加わることで断裂したり、繰り返しストレスにさらされることによって
菲薄化と言って 少しずつ薄くなり肘関節の内側の安定性を欠いてしまう現象が惹起されます。

また、このAOLは実は構造上内側にある手首を曲げたり、

指を曲げたりする筋群(屈筋群)と解剖学的にも密接に関係しており、靭帯を痛めることでそれらの筋群にも悪影響を与えます。

その結果、尺骨という骨と上腕骨が肘の後側で頻繁にぶつかることで痛みが出たり、変形性肘関節症への移行が進むことなどが報告されています。

また、肘関節の内側の不安定症による悪影響は枚挙にとどまることを知らず肘の後内側を走る尺骨神経に反復した伸張stressが加わる、前述した前腕屈筋群との関連性も強くあり前腕筋膜の過緊張を惹起し結果神経が阻血状態となり神経麻痺を呈する

肘部管症候群という病態との関連性も強く疑われています。

このような事態に陥らない為にも早期発見、治療がその後を大きく左右します。

具体的には急峻な損傷などに於いてはシーネ固定、低出力超音波(LIPUS)を施行する等することがとても大切です。また、菲薄化、変性することで動揺性が増すパターンは判断に悩みますが普段からのアイシングや交代浴などで肘周辺組織の循環をよくしておくことや、疼痛が出た場合にすぐに投球を中止、整骨院や整形外科などの医療機関への受診といった行動がとても重要であると考えます

また、投球禁止時期の過ごし方において肩関節や胸郭、股関節等々、患部外のコンディションを上げておくことを強くお勧めします。

理由としましてはこれら肘関節の投球障害はかなりの高確率で前述したような患部外もコンディション不良(特に柔軟性不足)によって誘発されているからです。これらの傷めた原因を改善しないことには、いくら組織を修復してもまた同じように傷めてしまう。誤解を恐れずに言うなれば傷めに行くようなモノだからです。

プロ野球、都市対抗野球、大学野球、

もちろん草野球も含め好きな野球を存分に楽しむ為にも何か体に不具合があると思ったらすぐにご相談下さい。

ケガこそお任せください!!